『参加者様に12の質問』すみっこさんの回答

1.お名前と利きペダ投稿作品の番号・作品名をどうぞ。
D07『期末試験まであと10日』 の すみっこ です。

2.投稿作品の「自分としてはここがポイント!」という部分を教えてください。
 「Cパート・長い版」または「オーディオドラマ」的なチーム総北とラチェット音の音声再生を読み手の皆様がしてくれますように…という気持ちで書きました。
 ツイッターでの自作感想でも「山月記」=「人食い虎」、「やまなし」=「カワセミによる魚の捕食・川を流れるやまなしを物語ののちカニの親子は酒として味わう」、「永訣の朝」=「死に瀕した妹の最後の食事(みぞれ)」、「スイミー=捕食者マグロとスイミーたち小さな魚」で、全て「食べる」「食べられる」ことが作品中に含まれる国語(現国)教科書作品を選びました。発端は「山月記」です。
 どの作品の引用文も、私のクラスでの教科書ゴッコで実際流行ったものですが、現役高校生が学習していないと困るなと思い、「新潮文庫 高等学校国語教科書採用一覧平成28年度」(pdfDLサイト):http://1gyou-edu.com/download/high-school_2016.pdf を参考にし、旧3年生は「山月記」と「永訣の朝」を学習した…と自分を納得させました(笑)。
 それから「食」モチーフの国語の作品を引用朗読する金城さんの他に、巻島さん=YAGIということで東堂さんの未読メールを「読まずに食べた(ヤギさんゆうびん)」り、具体的な飲み食い(補給)で田所さん、「人食い虎」「タコヤキ~」で鳴子にも「食」にかかわってもらいました。蛇足としては、この日の昼休みの信号機は図書室で『春と修羅』探し…ということで、昼休みは信号機3人で図書室行きの前に昼食も一緒に摂っている隠し設定です(笑)。

3.投稿作品は書きやすかったですか? 書きにくかったですか? それはなぜ?
 最初「食」とテーマが発表された時は「書けるのか?」と思いましたが、その直後、久しぶりにニコニコ動画で「ネコ李徴」動画を見たら、「あ、『山月記』って『人食い虎』の話ヤン…」と思ったところで、あとは他にどの作品を引用して、どの作品(スイミー)でオチにするか…という記憶の旅だけでした。直観的に引用4作品がすぐに決まったので、書きやすかったです。(※具体的に何か食べたり調理したりという食卓系の話は何も思いつきませんでした)

4.推理企画ということで、『当てられない工夫』または逆に『当ててもらう工夫』をしましたか? した人は、どんな工夫か教えてください。
 テーマ「食」が発表されて(第1回「利きぺダ」開催中)すぐに思い付き、書き上げたものなので、テーマとしての整合性や隠し設定と字数調整の工夫だけしました。なので、『当てられない工夫』逆に『当ててもらう工夫』ともしていません。
 ただ、pixiv投稿中の「洋南凸凹概論」の金城さんは(今のところ)理屈っぽく教科書等を熟読してそうな感じでいるので、本作の「朗読金城さん」とキャラカブリしているなぁ…と、HP掲載後に自作を客観的に読んで思いました。

5.推理されてみて、いかがでしたか?予想通りだったこと、予想外だったこと、自分の作品について新たに気付いたことなどがあれば教えてください。
「宮沢(賢治)派」の感想をたくさんいただくことができたのが予想外でした。選んで良かったです。それと、本作に関する私の脳内音声再生は、ほぼ巻島さんのソレだった為、皆様の感想が「金城さんのイケボ」に対し好意的だったのが良い意味で意外でした。本作内の金城さんは、おかげでまんざらでもないと、若干いい気になっています。皆様、たくさんの素敵な感想をありがとうございました。

6.その他、投稿作品について、自由に語ってください!
 感想を下さった方にリプでお返ししたことと内容が重複しますが、今泉が小6教材「やまなし」まで飛んでしまったのは、今泉にはこの朝練の時点まで「休み時間に『国語の教科書のセリフで物語ゴッコ』をした友達がいなかった」為という設定です。小6の授業参観で「やまなし」を朗読した思い出が今泉的には「印象的な国語教科書文章」についての唯一の思い出だった…という設定になっています。

7.推理には参加しましたか?参加したかたは、当てることはできましたか?
 前回、第1回は「全作品-全書き手様」の推理をしましたが、今回は推理をしませんでした。というよりも、今回は推理のキャパシティーを超えていると感じ、推理に手を付けることが出来ませんでした。「読み手と推理」の要素について、前回・今回と、「書き手」側と「読み手」側の双方で参加して感じたことは、「問12」に書きたいと思います。
 そういうわけで、今回推理はしませんでしたが、全作品に対する感想は前回に引き続きツイッターに挙げさせていただきました。主催者悠様が紹介して下さった「抜粋コラージュメーカー」と1リプに収まる文字数(全部残りピッタリ分文字数)で感想を書かせていただきました。「感想」と同時に「他の方にもこの作品を読んでほしい」という気持ちがあったので、本の「オビ」的な気持ちもあります。
 元々は自グループの他の書き手様に感想を送る為、自作に対する「セルフ感想」を一緒にあげてきましたが、この「書き手による自グループの他の書き手様作品」と「自作感想」は「利き小説」という企画に重要な要素なのではないかと、今考えています。この辺についても「問12」で書きたいと思います。

9.その他、推理企画ならではのご感想があれば教えてください。
 推理する為に書き手名を伏せて掲載するシステムなので、感想が「純粋な作品内容に対するに感想」なのがこの企画ならではでうれしいです。それと、「テーマ・文字数・非恋愛」という3つの縛りで作品を投稿するので、普段pixivでは絶対しない(出来ない)チャレンジが出来るのが「利きぺダ」に投稿する愉しみです。
 書き手として、全く接点の無かった方から感想をいただけるのはとてもうれしいことです。逆に読み手としては、相手を知らない、相手がわからない為、相手の人格に甘えず、誠意ある感想を自分の言葉で送る作業も、「私」とは何者か、作業しながら棚卸し、考え直すきっかけになったりするのがとても面白く楽しい企画だと、1回目に引き続き、2回目も参加して思いました。

11.今回「利きペダ」に参加してみて、いかがでしたか?ご感想をどうぞ。
 推理期間の途中で今回の投稿作品の印象から、面白がって、(私が焼いた)ガトー・ショコラの写真を「誰がつくった差し入れでしょう?」アンケートをしたのは私です。アンケートに回答全38票、皆様ありがとうございました。結果、僅差で手嶋さんを振り切り、1位が寒咲兄だったのがとても面白かったです。たまたまテーマが「食」だったので出来た「面白がり」でしたが、こういうところからも読み手さんとの交流が出来て楽しかったです。

12.次回やそれ以降の開催に向けて「こうだったらいいのに!」というご希望などありましたらどうぞ。
 実はこの問に関し、2回参加して気づいたこと、思うことがいくつかありましたので、そのことについて書きます。「私が考えた」ことなので、違う見解の方もいると思います。感想・コメント広場等で皆さんが意見を交換して下さるといいなぁと思いながら。

1)「推理(作者当て)」企画における「書き手の満足」と「読み手の満足」
 書き手さんは、まず「作品を書き上げることが出来た事」が満足。さらにご褒美で「投票の結果」と「感想」の両方が、応募後のうれしさとしてついてくるのが「利きぺダ」の企画と、私は感じています。

 一方で、現在本企画のツイッターアカウント「利きペダ – 弱虫ペダル利き小説企画」フォロワー数240。現在「利きぺダ」は少なくとも200人程度の書き手・読み手としての興味を引いている企画だと思います。今回書き手さんは53名だったので、潜在的読み手さんが書き手さん比で3倍位はいる、というのが単純計算になります。

 そういう中でハッシュタグ感想と投票数の推移を時々見てきましたが、「読み手さん」がどの位推理(利きぺダ)に参加できているのかと思うと、潜在読み手さん数があまり反映されていないように思います。「書き手」側アンケート、とてもありがたく、前回に続き回答させていただいていますが、「読み手さん」サイドの満足度について、アンケートの実施をしてみても良いのではないかと私は思っているところです(アンケート例えば…全部推理した・推理が難しくピックアップ投票・読むだけで推理はしない・フォロワーさんのグループや好きなキャラの案内がある作品だけ読む・アカウント登録はしているが、読み手参加はしていない・etc.)。
 読み手さんにとっては、「作者を伏せる」ことによる作品に対する先入観をなくす企画は新しい出会いのきっかけになってとてもいいと思います。しかし、「推理が出来、推理が当たるのが満足」なのか、「読み手の満足は『作者当ての推理』とは違うところにある」のかで、「利き=作者当て」とは…と書き手と読み手の双方の立場から考えてしまった第2回でした。
 読み手さん側の「利きぺダ」という企画に対してのアンケートを実施が可能なら、利きぺダサイトでもツイッターでも、主催者様と読み手さんがアクセスしやすい方法で、ぜひ「読み手さん向け」のアンケートを実施していただきたいという希望はあります。ご検討いただければ幸です。

2)推理投票数について
 前回は最後尾Eグループ、今回は先頭・最後尾両側から推理を始めると推理がたどり着けない(?)と思われるDグループ所属だった為、「グループに投票・感想下さい」運動リプを2回ともしています(勝手にしたことですが、気持ちは察して下さい。正直にあるとうれしい、ないのはさみしいのです)。ですので、当てられても、そうでなくても、作品に、または作者名義の「投票があった」こと自体が書き手として、とてつもなくうれしいです。
 ですが、問7の回答の通り、私は今回、推理をあきらめました。その代り、全作品の感想をあげることで、書き手さんに「私読みました!」という思いだけは伝えたかった次第です。

 私が今回推理をあきらめた理由ですが、1グループあたり9作品-9名の書き手を照合させる「9 on 9」だったこと、その作業を6ターンすることを想像し、無理だと思いました。推理する以上、一生懸命考えて正解を目指して投票したいと私は思っています。
 一方で、多くの書き手さんは「当たらないように」擬態をしながら作品を書かれていると思われますので、pixiv等の作品を参考にしながら「9 on 9」しようとしても、「書き手さん特定の証拠」を探す作業は膨大になり、まとまった時間を取って考えても最後まで考え続ける、という今回の推理条件はとても難易度の高い作業だと思い、あきらめました。
 あきらめた根拠は感覚ではなく、組み合わせ問題の理屈から計算したものです。高校数学の確率・統計の話で申し訳ありません。
「利きぺダ」サイトの投票システムはとてもよく設計されていまして、順列の原理にシフトしています。1グループ内投票は、1つ投票すると重複投票不能出来なくなり、二重投票なく全作品に投票できるシステムです。主催者様、システム調整本当にありがとうございます。
 ただ、今回の場合は1グループ9作品での投票でした。

 これは「9!」の順列(高校数学の組み合わせの数・9つの選択肢を順番に並べると何通りあるでしょうか?問題)になっています。

 9作品を書き手さんとそれぞれ照合させるとして、「全くわからない」という結論もままあります。
 では、「このグループ9作品の作者推理したけれどまったくわからない!全部あてずっぽうで投票する!」となった場合、「組み合わせの数」の考え方で、9つの選択肢に9つの選択肢をランダムに当てはめた場合の組み合わせの数(あてずっぽうに投票する)はどうなるかというと、

9!=9×8×7×6×5×4×3×2×1=「362,880通り」

 という「作品-作者の組み合わせが、全くあてずっぽう投票の場合存在する」、ということになります。
 よって完全なあてずっぽうで投票した場合の1グループ内の投票が全問正解になる確率は: 「 1/362,880=0.000275573% 」 となります。
 実際は1人か2人は「この作者さんだ!」と推理するところまでいくかもしれませんので、本当に全く分からない状態という仮定での理論値ですが、これを最初に考えてしまった私は、今回推理をあきらめました。その為つたない感想ではありましたが、今回は感想に専念しました。
 そういうわけで推理・投票をせず、自由参加とはいえ、投票を待っていた書き手の皆様には大変申し訳ありませんでした。書き手の皆様、つたない感想ですが、私なりに一生懸命考え書いた感想ですのでご笑納いただければ幸いです。

なお、1グループ4作品の場合、
4!=4×3×2×1=24通り(完全あてずっぽうでも全問正解確率1/24)
1グループ5作品なら
5!=5×4×3×2×1=120通り(完全あてずっぽうでも全問正解確率1/120)
となります。

 なぜマークシート問題が4択か5択におさまるのか?という現実はこの辺にあると私は思います。
 この辺の読み手さんに対する、現実的なモチベーションに考慮していただけると、もしも本当に「読み手さんは本当は投票したいが、推理の難易度が高いので推理投票をしていない」のならば、推理投票数が現状より伸び、利きぺダの企画がより活発になるのではないか、と思う次第です。

 推理が出来る快感は読み手の自分にとってはとてもハッピーなことですし、各作品に満遍なく投票が入ることも、書き手のひとりである自分にとって、とてもハッピーなことです。そして自分の推理が正解であることは、推理手(読み手)にとって大きな報酬であり、「利きぺダ」の読み手参加の大きなモチベーションになると思います。
 「読み手にとって推理する事」についての皆様のお話しをお聞きしたいのと、「利き=作者当て」の参加しやすさ、やりがいがある方法を、企画の盛り上がりの面から検討していただけたらと思います。

3)読み手さん側の行動様式と推理期間について
 今回作品数が多いということで推理期間の〆切が延長になりましたが、投票行動の推移を時々見ていた感想としては「推理開始直後に投票があり、その後は推理期間終了間際の投票が多かった」ように思います。これは前回の投票も同じような投票行動になっていたので、「〆切」効果だと私は思います。
 ですが、これは、「〆切間際に行動をしたくなる心理」が普遍的なものであるためで、私は「計画的に投票しましょう」ということではないと思っています。
 むしろ、「〆切」の存在が投票行動に有効につながるようなら、その方が書き手さんも読み手さんも幸福ですから。
 私が思ったのは、博物館や美術館のように、前期・後期といった会期で「公開する作品替え」を行うということです。投稿作品数が一定数(例えば30作品等)を超えた場合には推理の会期を分け、1度に公開する作品数を会期分で均等割りし、1会期での推理の負担は少なくする、というものです。この考えがベストとは私自身も思っていませんが、複数の〆切を設けることになるので、〆切に向けて推理できる作品数は相対的に増えるという点ではベターだと思っています。

・1回の会期で推理する作品は全体の一部(2会期ならば総作品数の半分、3会期なら1/3)にし、該当分以外の作品は、会期外はクローズにする(推理中の作品閲覧は会期中のみの期間限定閲覧にする)。
・1回に閲覧出来る作品数は少なくなるので、推理可能な作品公開期間は相対的に短くする。
・全ての推理会期が終わり、全作品の正解発表のときに、あらためて「利きぺダサイト」で全作品を一斉公開する。

 こういうイメージですが、繰り返しますが必ずしもこれがベストではないと思います。しかし、推理期間の設定は色々と試してみる価値はあると思っています。皆様のご意見をいただきたいですし、検討していただきたいと思います。

4)ツイッターアカウント「利きぺダ書き手さん」または「書き手さんの自グループ感想」について
 利きぺダは「作品に擬態がある可能性が高い」他に、元々「文字数」「テーマ」「非恋愛」という縛りがあるので、「書き手さん」が作品を投稿するにあたって、普段執筆している作品の作風と変わってしまうことは普通にあることだと思います。また、「利きぺダ」の作品に対する縛りゆえに、自発的には絶対書かない作品を書くチャレンジになるため、「書き手」にとって勉強にもなる、とてもうれしい、ありがたい企画です。
 一方で上記の通り、「読み手にとって推理するハードルはどうなっているのか」という問題は残ると思います。いくつかの縛りの為、「厳密にいつも通り書くこと」がそもそもムリな要素が大きいですから、書き手さん側から投稿作品に対する1つ2つのヒントがあった方が、推理のモチベーションが上がるのではないかと思う次第です。
 ヒントアイテムとしては、「利きぺダ書き手さん」アカウントがまず最初にあると思います。
 書き手自己紹介で自作ヒントを出すのではなく、「利きぺダ書き手さん」アカウント投稿用の、「覆面書き手(今回の私の場合「D07作者より」という形)」からのヒントを応募時のフォーマットに予め組み込む形なら、書き手さんのヒント書き忘れはなくなると思います。
 もうひとつのヒントアイテムは「自グループ感想」だと、私は思います。タブー視されている書き手さんも多いようですが、2回の利きぺダ両方で自グループ感想を実際にしてみた感想は、「作品も擬態なら自作感想も擬態は可能」だということです。しかしそれを込みで複数の自グループの書き手さんが「自グループ感想」をあげると、それぞれの書き手さんの感想を比較することで、微妙なニュアンス違いなどから推理の手掛かりになるということです。
 自グループ感想だけなら書き手さんの感想数の負担は数作なので、全作品の感想と比べれば実行不能な数ではなく、読み手さんには比較ヒントが与えられ、書き手さんは自作宛感想がいただけるわけで、システムとしてはwin – winだと思います。
 ただ、「自グループ感想」は書き手さんのツイアカウントがハッシュタグTLに流れるか、「感想・コメント広場」に投稿された書き手さんかの感想をへ読み手さんが見に行くかしないといけないので、ツイアカウント非公開又は鍵アカウントの書き手さんは「利きぺダ専用」のアカウントをつくっていただいて、このアカウントから感想をつぶやくか、読み手さんが「感想・コメント広場」に推理期間中定期的に通う必要があると思います。
 書き手さんにとっての負担が多い話になりましたが、読み手さんの参加しやすさを考えるとこのような形の負担の受け入れを書き手さんがした方が「推理作業に対して」フェアなのではないかと思いました。

5)投稿作品のコミック派に対する「ネタバレ」問題について
 2回目の利きぺダ終盤で起こった事件?ですが、私は原作付き二次創作の立場で「コミック派に配慮する本誌ネタバレ禁止」には懐疑的な立場です。
 というのは、原作の創作・発表の場所はあくまで週刊連載されている本誌がその場所であり、原作者の先生が原作を執筆する創作環境を整えているのは、週刊連載している本誌の編集長・編集担当者といった、週刊連載誌の関係者の尽力であり、それは本誌発行が出版社経営上足切対象にならない売り上げを得ている前提に成り立っていることに起因するからです。
 しばらく前に「ヤングサンデー」誌(「鉄腕バーディー(ゆうきまさみ先生)」「とめはね!(河合克敏先生)」他、連載)が休刊(実質廃刊)となり、一部の作品は同出版社発行の他誌に移籍し連載を続けましたが、多くの連載作品は強制終了となりました。
 この事件のモチーフはマンガ・ドラマ「重版出来!」でも取り上げられたので、「ヤングサンデー事件」は知らなくとも、雑誌連載にはこのようなことがある、ということについてはご存じの方は多いと思います。
 「ペダル」自体は確かに強力なコンテンツです。ファンの支持も高いです。ですが、「連載本誌自体の売り上げ無しに、原作者の先生の制作環境と作品発表の場は担保されない」、ということは心に留めていただきたいと思います。
 「ペダル」は強力コンテンツなので、本誌になにかあっても別媒体に移籍可能だから…と思われる方もいるかもしれません。しかし、原作者の先生の創作環境上の「現状の自由」まで、移籍先が全てこれまで通り担保するかどうかはわかりません。
 「原作者の先生にとって、どんな環境で作品を描くのが幸福か」、という想像を、ファンはもっと真剣に考えてもいいと私は思っています。出版不況と言われ久しく、出版業界が不況を脱する見込みは正直薄いからです。
 そういうことから、「最終的に本棚に並べるのはコミック」でも、「作者の先生の創作環境に対する基金」的な気持ちで、ファンは本誌掲載を第一に尊重すべきではないかと私は常々考えてきました。「書きおろし単行本のコミック」が出版されているのではなく、先生の創作の場はあくまで週刊掲載の本誌にあり、「本誌で連載された原稿が初めにあって、一定数まとまるからコミックになる」のですから、元々の連載本誌の存在なしに「ペダル」は存在できない。この順番は現行の出版業界の枠組みでは少なくとも今後しばらくは変わらないものですし、「ペダルナイト」等のイベントでも先生は「本誌を読んでほしい」と常々おっしゃっています。
 本誌にすら掲載発表されていない生原稿に関する内容は、確かに「ネタバレ」ですが、本誌発売の瞬間から、原作として既に存在している内容は、読者(ファン)にとっては「手に取る気になれば手に取れるもの」ですから、厳密には「ネタバレ」ではありません。
 それを踏まえ「コミック派」だからという理由で既に存在している原作の展開を無いものにする自己都合も、また、「利きぺダ」の為に知恵を絞って、本誌からインスピレーションを得て創作した書き手さんの原作に対する気持ちを「コミック派に対する配慮」という名目でなかったことにすることも、私は同じ書き手としてさみしいことだと思いますし、「ペダルファン」としてもさみしいことだと思います。
 「ヤングサンデー事件」のような事例を前提にすれば、「本誌を購読し、作品創作・掲載の場所を支えている読者」の方が、現実的にはより「原作者の創作環境の担保にリアルタイムかつダイレクトに貢献している」という現実もあるからです。
 そして、「ペダル」のコミックは平均年5巻程度発売されています。
 仮に「利きぺダ」申込時点で「コミック派にとってのネタバレ」の内容でも、「正解発表時点ではコミック発売済」のタイミングの可能性もあります。
 「テーマ」「文字数」「非恋愛」「応募〆切」の縛り、さらに「作者推理の要素」まである中で作られた作品が、「コミック派にとってはネタバレ」で切り捨てられるということが、「作品」をつくることが大変なことをよくご存じの書き手さん・読み手さんにはどういうものか、想像はつくと思いますし、想像していただきたいことでもあると、私は思います。

 ともかくも、書く側であれ、読む側であれ、「利きぺダ」を楽しむことのできる懐の深いペダルファンでしたら、「コミック派」だからと言わず、「先生の創作環境を担保する基金」という考え方で「本誌購読」ということを考えられ、二次作品だとしても「作品の生みの苦しみ」を思い、「作品が生まれた奇跡」を喜ぶことが出来る懐の深さで「利きぺダ」に参加して欲しいと私は思っています。
 そして、「ペダル」を愛している「利きぺダ」の書き手と読み手の皆様には、月4冊、本誌を購入して欲しいと思います。それが先生の元来の希望でもあり、先生の創作現場を応援することに一番ダイレクトに繋がることだからです。

 

 ものすごく長々と、色々と書いてしまいました。書くべきかどうか随分悩み、結果12の質問に対する回答がとても遅くなってしまいました。申し訳ありませんでした。
利きぺダがたくさんのペダル二次創作ファンが気軽に参加できるイベントとして長く続いて欲しいと思う利きぺダファンとして、12の質問について回答を書きました。最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

(12の質問、以上です。すみっこ拝)